なかなか出会わない二人の刑事。 成長と転落を描く警察ミステリ 『刑事の境界線』 宮島道明 宝島社文庫
最新号
今回ご紹介する書籍は、モジュラー型警察ミステリです。
モジュラー型とは複数の事件が並行して起こる警察小説を指します。
これらの事件は、パズルのピースを嵌めあうように埋められて、物語が進むにつれて交錯していきます。
そして最後には並行して起きていた事件が全て繋がるといった構造をモジュラー型といいます。
<あらすじ>
小金井中央警察署の刑事第一盗犯係の馬場みどりは、取調室でくだらない言い訳をするスリ版と対峙していた。
さらに所轄署のゲームセンターで出店荒らしが発生し、現場へ急行する。
一方、同署組織犯罪対策係の染井忠之は、ガサ入れのため後輩の佐竹と違法風俗店を張り込んでいた。
しかし染井はとある事情から店長のホセを逃がそうと画策していて……。
事件を追う者と隠す者、相反する二人の運命はいかに!?
<こんな方にオススメ>
・軽すぎず重すぎない警察小説がお好きな方。
・あっと驚くミステリ小説を求めている方。
・警察小説をあまり読んだことなく、新しく開拓してみたい方。
二人の刑事がバディを組むのではなく、なかなか出会わないところがとても斬新で面白い警察小説となっております。
女性刑事の成長譚と男性刑事の転落劇を描いたまさに技巧派ミステリだと思います。
クライマックスに近づくにつれて、二人の刑事が関わっている事件が交錯したときにアッと驚く展開が待ち受けています。
読みやすい警察小説となっていおりますので、あまり警察小説を読まれたことがない方も、是非お手に取ってご一読くださいませ。
スタッフY.K